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さて、前回お話した大塚莞爾先生のもう一つ印象に残った言葉がこれ。
映画学校での授業は、座学と実習の二つがある訳なのですが、明瀬的には実習が好きでした。
やったことのないことをいきなりやるのでおっくうになることもしばしば…。
たとえば 8mmフィルムならカセットポン!で装填可能ですが、16mmフィルムなんてカセットどころか生のフィルムですから光に当たったとたんにパーになる訳です(最近写真もデジタルになっちゃって、カメラの蓋をあけたらパーなんてわからない事になりつつありますが。)
日中にフィルムを装填する場合、ダークバックというジャンパーの裏返しみたいな袋に入れてごそごそ装填するのですが、手の感覚だけがたよりの作業です。
撮影済みをフィルム缶に戻し、未撮影のフィルムを装填します。これを間違えると撮影済みの上にもう一回撮影して しまうことになります。
主に撮影助手さんの仕事なのですが、実習で繰り返し繰り返し練習する訳です。めんどくさいし、うまく出来ないし、 汗がフィルムにつかないかと気が気じゃないしと…。結構練習したはずの明瀬なのですが、今ではすっかりそのやり方を忘れてしまいました。
時はうつって現場に入った頃に、フィルム装填事故がおこりました。
しかも、よりにもよってカースタントの部分。ラッシュをみてスタッフ愕然。二重露出で車が何台も…。撮影助手さんの仕事がここまで責任が重いのかと思いました。
映画の仕事はめんどくさいことの連続。しかも、ちょっとしたミスが撮影を止めたり、作品事体がぶっ飛ぶ大事故につながるので気が抜けません。あんまりめんどくさいことが続くと当時の我々はうんざりするもので、つい「めんどくさい!」と言ってしまうのですが、大塚先生は「めんどくさくて映画ができるきゃー」と一喝してしまうのでした。
生徒はびっくり!「めんどくさい」はつい出た言葉とはいえ、現場では言ってはならない言葉なのです。とはいいつつ、めんどくさがりやな明瀬は時々言ってしまいます。その度に思い出すのがこの言葉なのです。
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